季節で育てるぬか床|初夏(山椒の実)

ぬか床に山椒の実を加える|初夏の手しごと

ぬか床を育て始めて約3か月。
気温の上昇とともに発酵は進み、香りや味わいにも変化が出てくる頃。

そんな初夏に取り入れたいのが、山椒の実を加える手しごとです。
抗菌作用と爽やかな香りが、ぬか床を夏仕様へと整えてくれます。


■ 山椒の実を加える理由

  • 抗菌・防腐作用で腐敗を防ぐ
  • 発酵の進みすぎ(酸っぱさ)を抑える
  • 清涼感のある香りと辛味が加わる

※入れすぎると良い菌の働きも抑えてしまうため注意


■ 山椒の実の下処理

材料

  • 山椒の実……適量

作り方

枝を取り除く
太い軸を外す(小枝はついていてもOK)

さっと湯通しする
沸騰した湯1Lに塩小さじ1を加え、山椒を軽く湯通し

水にさらす
湯を切り、冷水に5〜10分さらしてアクを抜く

水気を切る
しっかり水気を拭き取る

保存する
保存袋に入れて冷凍保存(約1年保存可)


■ ぬか床への加え方

ぬか1kgに対して小さじ1〜2。
2〜3か月に1回が目安です。

足しぬかのタイミングで加えるのがおすすめです。
※時間とともに黒くなりますが、取り出す必要はありません。

■ 足しぬかの基本

足しぬかは、ぬか床を「元に戻す」ための手しごとです。
増やすというより、整える感覚で向き合うと安定します。

材料(目安)

・生ぬか(または炒りぬか)……1カップ
・塩……約10%前後(ぬかの重さに対して)
・赤唐辛子……1〜2本

※香りを整えたいときは昆布を少し加えてもよい


ポイント

  • 水分が多いときやぬかが減ったときに行う
  • 味が薄くなったと感じたときにも有効
  • 一度に入れすぎず、様子を見ながら足す
  • ぬか床が減っていても美味しく漬かっているうちは無理に足さない

手順

① 材料を混ぜる
② ぬか床に加えてよくなじませる
③ 2〜3日休ませる(野菜は入れない)

※表面に白い膜(産膜酵母)が出たら再開のサイン


■ トラブル対処メモ

・酸っぱすぎる
→ 漬け時間を短くする/よくかき混ぜる/冷蔵庫で保存/足しぬか/山椒の実を加える

・シンナーのようなにおい
→ 上下を返すようにしっかり混ぜる
※「混ぜてほしい」というサイン

・しょっぱい/しゅわしゅわする
しょっぱい → ぬかを足す
しゅわしゅわ → 塩を足して様子を見る



■ 保存と温度管理

夏は冷蔵庫保存が基本。

涼しい日は常温に戻して発酵を促し、味を見ながら調整していきます。


■ ひとこと

山椒の実を加えると、ぬか床は少しだけ凛となり、
暑さに向かう季節のなかで、香りが輪郭を整えてくれます。

ぬか床は、手をかけすぎても、放っておいても、思うようにいかないものです。

そのあいだにある、ちょうどよい関係を見つけていく。
それが、ぬか漬けの面白さです。

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