好評発売中「スポーツ自転車でいまこそ走ろう!」執筆秘話

2006年に購入し、今も一番乗っているサーリー/クロスチェック。これはハワイ、ノースショアのメトリックセンチュリーライドに行ったときの写真。

一生楽しく乗り続けられる自転車とは?

2022年2月24日に発売された最新の著書「スポーツ自転車でいまこそ走ろう!」。ご購入いただいた皆様、店頭に並べてくださった書店様、そして、版元の技術評論社の皆様、編集をしてくれたデコの大塚さん、デザイナーさん、写真提供や撮影に協力してくれた皆様に心より感謝いたします。

本日は、著書にはあえて書かなかった裏テーマをご紹介します。

僕は、自転車というのは、あらゆる燃料に頼らず効率よく移動できる人類最高の発明と認識しております。しかも、ペダルを踏むことで有酸素運動となり、乗り方によっては健康増進に役立つかもしれません。

人類が生み出し、先達が時間をかけ工夫して改良してきた最高の移動ツールをどう使いこなすか?他人と競うことも悪くはないし、買い物だけに使うだけでもいいけれど、それだけじゃもったいと思いませんか?日常生活の中で景色や季節の変化を楽しみながら、クルマの出番を減らし(高騰し続けるガソリン代も節約できます)、こっそり体力増強にも貢献する。そんな素敵な乗り物=スポーツ自転車を一生の趣味として乗り続けるためのヒントをまとめました。

どんな自転車を選べばいいか、どんな乗り方をすれば一生楽しく乗り続けられるか?そして、たくさんの荷物を運べる自転車や、目を吊り上げて力いっぱいペダルを踏まなくても楽しめるスポーツ自転車があることを紹介しています。

なかなかレトロな自転車が主役です

グラベルも走れるし、キャンプツーリングにも使える。別にディスクブレーキじゃなくてもいいんです。

著書で紹介している僕の所有する自転車は古臭いものばかりです。正直、今回の改訂版を作るにあたり、一番迷ったのがその点でした。ディスクブレーキが搭載された最新のグラベルバイクの情報に刷新したほうが、読者のためになるのでは?と当初は考えていました。しかし、そんなタイミングで、僕の最愛のフレームであるサーリー/クロスチェックの生産が休眠するという情報が耳に入ったのです。とても残念なことですが、目まぐるしいパーツ規格の変更には逆らえません。それにサーリーの開発スタッフも新陳代謝していて、創業当時のモノづくりのスピリットからは少しずつ変化しているように感じます(今や世界一のクロモリ専門ブランドで、親会社のQBPはBコープ取得の優良企業に成長!)。

輸入元の話では、クロスチェックの生産は本国の意向でレギュラー品としては、来年以降、当面行なわないそうですが、ライン自体はいつでも動かせる体制を残しているそうです。たとえば日本や他国の販売店からまとまったオーダーが入れば、再度生産するオプションは残されているそうです。

それならば、クロスチェックの生産継続に微力でも後押しできないかと、あえて2006年に購入し、今も楽しく乗り続けている最愛のバイクを中心に改訂版を製作することにしました。14年間あきることなく、体も壊さず乗り続けられる自転車ってすごくないですか?しかも、東京にいたときにはシングルスピードで。名古屋に移住した今は、周辺の激坂に対応して9段変速を搭載し、ラックを付けてプランター用の土を買って積んだり、キャンプにも行ける仕様にカスタム。その時々の気分に合わせて自在に組み替えられる。そんな自転車が世界にどれだけあるでしょう?

長く乗れる自転車はサイフにもやさしい

サステナブル=持続可能な発展。

どんなに古臭く見えても、今の時代にジャストフィットする自転車がクロスチェックなのです。

体に優しい乗り心地、古い部品でも組み込める、スチールフレームなのでフレームの一部が破損しても溶接修理が可能、もしも廃車になっても鉄はリサイクルがしやすい、などなど。

この自転車は、僕が死んでも走れる状態で残るでしょう。

カーボンフレームのロードバイクにはない、サステナブルな魅力にあふれたクロモリフレームの最高峰=クロスチェック。ほかにも著書の中にはEバイクやフォールディングバイク、ロングテールバイクなども紹介しています。著書を読んでくださった皆様のライフスタイルにフィットした1台がみつかれば、そんなにうれしいことはありません。

Ride & Peace

クルマの出番を減らせば、ガソリン代も節約できます。しかもなぜか、積荷が重ければ重いほど、変に楽しいんですねこれが。

↓この表紙が目印です!

■書籍情報
スポーツ自転車でいまこそ走ろう!
技術評論社刊
定価1650円(税込)
山本修二著